石川 修六（Osamu Ishikawa）
大阪市立大学大学院理学研究科数物専攻 教授
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■ メンバーによる解説記事
■ スピン三重項超流動体の固有軌道角運動量
超流動3He-A相のクーパー対状態は、両極にノードを持つ軸対称なギャップ構造を有し、クーパー対は軸方向に大きさ ħ の軌道角運動量（固有角運動量 Intrinsic
Angular Momentum；IAM）を持つ。 【記事全文】
（1,632KB）
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■ 奇周波数クーパー対の磁気応答
超伝導・超流動状態は、一般に、偶周波数状態と奇周波数状態に大別できる。多くの超伝導金属で実現するスピン一重項ｓ 波状態や超流動3He のスピン三重項 p 波状態は、偶周波数状態の代表例である。【記事全文】（1,138KB）
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東谷 誠二（Seiji Higashitani)
広島大学大学院総合科学研究科 准教授
■ Sr2RuO4のトポロジカル超伝導性とトンネル効果
近年トポロジカル超伝導体が実在するかどうかに強く興味がもたれている。トポロジカル絶縁体はバンド
構造に依存してトポロジーが定義されるのに対して、トポロジカル超伝導体では超伝導ギャップ構造依存してトポロジーが定義されるため、トポロジカル超伝導性の同定は超伝導ペア対称性の決定にほぼ等価である。 【記事全文】（1,809KB）
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柏谷 聡（Satoshi Kashiwaya)
産業技術総合研究所電子光技術研究部門 首席研究員
■ 奇周波数バルク超伝導について
奇周波数超伝導状態とはギャップ関数がクーパー対を構成する２電子の虚時間の交換に関して" 奇"であり、松原振動数の相対値 εn の関数として"奇関数"である。 【記事全文】（1,858KB）
◆著者紹介
三宅 和正（Kazumasa Miyake)
大阪大学基礎工学研究科物性物理工学領域 教授
■ 3He-B のトポロジカル超流動相
3Heは極低温まで液体であり、かつクリーンな系であるため、自発的対称性の破れを伴う超流動相においても依然として高い対称性を保つ。本稿では超流動3Heに内在するトポロジーと自発的対称性の破れとが協調して引き起こす新しいトポロジカル量子現象について紹介する。 【記事全文】（2,150KB）
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水島 健 （Takeshi Mizushima）
岡山大学大学院自然科学研究科 助教
■ 超伝導体／強磁性半導体接合でのゼロバイアスコンダクタンスピークの観測
超伝導体／強磁性体（S/F）接合では、超伝導と強磁性の共存により様々な量子現象が出現すると期待されている。以下では、従来型のs波超伝導体を用いたS/F接合中での超伝導と強磁性の共存を考える。F中での有限な交換エネルギーhexを考慮すると、形成されるクーパー対は、反平行スピンの電子対で有限な重心運動量を持つか、平行スピンの電子対で重心運動量を持たない場合が考えられる。 【記事全文】（1,677KB）
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赤�� 達志（Tatsushi Akazaki)
NTT物性科学基礎研究所 主幹研究員
■ 「トポジカル絶縁体」って、何がトポロジーなの？
トポジカル絶縁体とは、一言でいえば、バルクにはエネルギーギャップを持つ絶縁体なのに、その″エッジ″（２次元系なら端、３次元系なら表面）にギャップレスの金属状態が生じている物質のことです。高移動度を持つ２次元半導体が強磁場中で量子ホール効果を示すときの電子状態でも似たような状況が生じていますが、トポロジカル絶縁体の場合は、磁場などなくてもこのような特殊な状態が存在しているのです。 【記事全文】（893KB）
◆著者紹介
安藤 陽一 (Youichi Ando)
大阪大学産業科学研究所 教授
■ ＳｒＴｉＯ３ 電場誘超伝導
銅酸化物超伝導体を始めとする多くの超伝導体が絶縁体母材料への化学ドーピングによって開発されてきた。化学ドーピングでは母材料の構成元素の一つを価数の異なる不純物元素で置き換え、電気を流す電子やホールといったキャリアを材料へ供給する。図1に示すように多くの半導体・絶縁体がキャリア濃度の上昇とともに超伝導を示す。 【記事全文】（1,107KB）
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上野 和紀 (Kazunori Ueno)
東北大学原子分子材料科学高等研究機構 助教
■ トポジカル超伝導体の物理
超伝導体において、本質的にトポロジーと関係している物理現象としては、超伝導渦の磁束量子化が古くから知られている。最近になり、異方的超伝導の表面に現れるアンドレーエフ束縛状態も超伝導のトポロジーが本質的に関係していると考えられるようになり、「トポロジカル超伝導体」の標語の下、活発に研究されている。 【記事全文】（928KB）
◆著者紹介
佐藤 昌利 (Masatoshi Sato)
東京大学物性研究所 助教
■ 奇周波数クーパーペア
「奇周波数クーパーペア」という言葉で表される粒子の物理描像は把握しづらい。それ故、奇周波数ペアは将に「奇」なるものと思われてきた経緯がある。それを払拭し、「奇周波数ペア」という描像を用いて得られはじめた超伝導現象を概観するのが本稿の目的である。 【記事全文】（1,150KB）
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浅野 泰寛 (Yasuhiro Asano)
北海道大学大学院工学研究院 准教授
■ トポロジカル起流動 ３Ｈｅ−Ｂ 相の表面マヨラナコーン
1937年にエットーレ・マヨラナは、粒子と反粒子が等価なスピン1/2を持つ中性素粒子（マヨラナフェルミオンと呼ばれる）の存在を提唱した。近年、これと同様の性質を持つ準粒子状態が、ある種の超流動・超伝導体の表面に実現しているのではないかと指摘され、その探索が活発になされている。 【記事全文】（1,629KB）
◆著者紹介
野村 竜司 (Ryuji Nomura)
東京工業大学大学院理工学科 助教
■ トポジカル超伝導体 ＣｕｘＢｉ２Ｓｅ３ の単結晶試料作製
トポロジカル絶縁体をベースとした超伝導体であるCuxBi2Se3は2009年にPrinceton大学のCava教授のグループによって発見され、プレプリントサーバーに投稿されたことによりそれ以来さかんに研究されている。この系はトポロジカル絶縁体として知られるBi2Se3にCuをインターカレートした系で、ドープされたトポロジカル絶縁体と言ってよい。 【記事全文】（1,144KB）
◆著者紹介
瀬川 耕司 (Kouji Segawa)
大阪大学産業科学研究所 准教授