柳瀬 陽一 （Youichi Yanase)
- 所属：
- 新潟大学（大学院自然科学研究科・数理物質科学専攻）准教授
- 研究題目：
- 多軌道モデルに基づくパリティがない超伝導の理論研究
- 領域での役割：
- D04班公募研究代表者
■ 研究室 ■新学術研究紹介
[1057KB]
これまでの研究
エキゾチックな対称性を持つ超伝導体/超流動体を理論的な立場から研究してきました。私はミクロな多体電子論とセミマクロな現象論を融合した研究手法を得意としています。特に、ミクロ理論を用いて物質に則した研究を行うことで、それまで主流であった現象論とは異なる理論手法を開拓して参りました。大学院時代は銅酸化物高温超伝導体の異常金属相を研究しました。その後、Sr2RuO4におけるスピン三重項超伝導の研究を契機として、ＦＦＬＯ超伝導、パリティがない超伝導、局所的なパリティがない超伝導、ランダム系の超伝導絶縁体転移、冷却原子気体のA-ＦＦＬＯ超流動、などの研究を進めています。これらのエキゾチック超伝導・超流動を強相関効果や磁性、アンダーソン局在との関連を含めて研究しています。
本領域での研究
Sr2RuO4[001]界面のラシュバスピン軌道相互作用を表わすｇベクトル
その他
様々な分野の専門家が集まるこの新学術領域で大いに刺激を受けつつ、自らの研究をみがいていきたいと思います。
略歴
- 1992年
- 鹿児島県私立ラ・サール高等学校卒業
- 1996年
- 京都大学理学部（物理学）卒業
- 2000年
- 東京大学理学系研究科物理学専攻 助手、2007年より助教
- 2001年
- 論文博士（理学）取得（京都大学）
- 2006年
- -2007年 スイス連邦工科大学理論物理学研究所 客員研究員
（Manfred Sigrist 教授とパリティがない超伝導に関する共同研究を行った。） - 2009年
- 新潟大学理学部 物理学科 准教授、現在に至る
主な受賞
- 2011年
- 日本物理学会若手奨励賞（領域８）
- 2013年
- 重い電子系研究奨励賞
代表論文
"Complex-stripe phases induced by staggered Rashba spin-orbit coupling",
T. Yoshida, M. Sigrist, and Y. Yanase (Papers of Editor's Choice)
J. Phys. Soc. Jpn. 82, 074714 (2013).
"Spin-triplet pairing state of Sr2RuO4 in the c-axis magnetic field",
S. Takamatsu and Y. Yanase
J. Phys. Soc. Jpn. 82, 063706 (2013).
"Locally Non-centrosymmetric Superconductivity in Multi-layer Systems",
D. Maruyama, M. Sigrist, and Y. Yanase
J. Phys. Soc. Jpn. 81, 034702 (2012).
"Antiferromagnetic Order and π-Triplet Pairing in the Fulde-Ferrell-Larkin-Ovchinnikov State",
Y. Yanase and M. Sigrist
J. Phys. Soc. Jpn. 78,114715 (2009). (Papers of Editor's Choice)
"Localization and Superconductivity in Doped Semiconductors",
Y. Yanase and N. Yorozu
J. Phys. Soc. Jpn. 78, 034715 (2009).
"Non-centrosymmetric Superconductivity and Antiferromagnetic Order: Microscopic discussion of CePt3Si",
Y. Yanase and M. Sigrist
J. Phys. Soc. Jpn. 76, 043712 (2007).
"Microscopic Identification of the D-vector in Triplet Superconductor Sr2RuO4",
Y. Yanase and M. Ogata
J. Phys. Soc. Jpn. 72, 673-687 (2003).
"Theory of Superconductivity in Strongly Correlated Electron Systems",
Y. Yanase, T. Jujo, T. Nomura, H. Ikeda, T. Hotta and K. Yamada
Physics Reports 387, 1-149 (2003).
