安藤 裕一郎 (Yuichiro Ando)
- 所属:
- 京都大学(大学院工学研究科・電子工学専攻)助教
- 研究題目:
- 原子層制御技術による3次元トポロジカル絶縁体のスピン機能創出
- 領域での役割:
- C01班公募研究代表者
■ 研究室 ■新学術研究紹介 [1080KB]
これまでの研究
強磁性体と半導体(特にシリコン、ゲルマニウムなどのIV族半導体)との異種接合の高品質形成と半導体へのスピン注入に関する研究に従事しています。これまでは強磁性金属CoFeとSiの直接接合を用いて、室温における非縮退Siチャネルへのスピン注入、ゲートによるスピン信号操作などを行ってきました。近年は磁化ダイナミクスを用いた新しいスピン注入方法(スピンポンピング)を用いたIV族半導体へスピン注入や、Siチャネル中におけるスピン輸送の物性解明を行っています。
本領域での研究
新学術領域では強磁性金属、非磁性金属、非磁性絶縁膜とトポロジカル絶縁体との異種接合のおける電気伝導・スピン伝導特性の評価を行っていきます。特にヘテロ界面の結晶性・急峻性等に着目し、界面状態と電気・スピン伝導特性との相関を解明したいと考えています。最終目標は異種接合界面を用いて、トポロジカル絶縁体のヘリカル状態に起因するスピン流を電気的に検出することです。
略歴
- 2000年
- 東京都立国立高等学校卒業
- 2005年
- 京都大学工学部(物理工学科)卒業
- 2007年
- 京都大学大学院エネルギー科学研究科 修士課程 修了
- 2010年
- 九州大学大学院システム情報科学府 博士後期課程卒業 博士(工学)取得
- 2010年
- 日本学術振興会特別研究員(PD)
( 受け入れ研究先:九州大学稲盛フロンティア研究センター・木村崇教授 研究室) - 2012年
- 大阪大学基礎工学研究科システム創成専攻 助教
- 2014年
- 京都大学大学院工学研究科・電子工学専攻 助教 、現在に至る
代表論文
"Dynamically generated pure spin current in single-layer graphene",
Zhenyao Tang, Eiji Shikoh, Hiroki Ago, Kenji Kawahara, Yuichiro Ando, Teruya Shinjo, and Masashi Shiraishi,
Physical Review B 87, 140401(R) (2013).
"Effect of the magnetic domain structure in spin injector and detector on spin accumulation signals in silicon",
Y. Ando, S. Yamada, K. Kasahara, K. Sawano, M. Miyao, and K. Hamaya,
Applied Physics Letters 101, 232404 (2012).
"An investigation of the inverted Hanle effect in highly-doped Si",
Yasunori Aoki, Makoto Kameno, Yuichiro Ando, Eiji Shikoh, Yoshishige Suzuki, Teruya Shinjyo, and Masashi Shiraishi, Tomoyuki Sasaki and Tohru Oikawa, and Toshio Suzuki,
Physical Review B 86, 081201(R) (2012).
"Temperature evolution of spin accumulation detected electrically in a nondegenerated silicon channel",
Y. Ando, K. Kasahara, S. Yamada, Y. Maeda, Y. Hoshi, K. Sawano, M. Miyao, and K. Hamaya,
Physical Review B 85, 035320 (2012).
"Electric-field control of spin accumulation signals in silicon at room temperature",
Y. Ando, Y. Maeda, K. Kasahara, S. Yamada, K. Masaki, Y. Hoshi, K. Sawano, K. Izunome, A. Sakai, M. Miyao, and K. Hamaya,
Applied Physics Letters 99, 132511 (2011).
"Bias current dependence of spin accumulation signals in a silicon channel detected by a Schottky tunnel contact",
Y. Ando, K. Kasahara, K. Yamane, Y. Baba, Y. Maeda, Y. Hoshi, K. Sawano, M. Miyao, and K. Hamaya,
Applied Physics Letters 99, 012113 (2011).