赤﨑 達志（Tatsushi Akazaki)
- 所属：
- 高知工業高等専門学校（電気情報工学科）教授
- 専門分野：
- 超伝導接合（実験）
- 研究題目：
- (A01) 時間反転対称性を破る超伝導体の新奇界面現象
- 領域での研究テーマ：
- 強磁性体を含む超伝導接合系での奇周波数超伝導状態や逆近接効果の研究
- 領域での役割：
- A班連携研究者
■ 研究室
これまでの研究
超伝導体／半導体接合中でのJosephson効果、超伝導近接効果やAndreev反射といった量子現象を実験的に検証してきました。超伝導体間を絶縁体で挟んだ一般的なJosephson接合とは異なり、超伝導体／半導体接合では半導体の輸送特性を電界や光照射で制御できるため、様々な量子現象を制御して、調べることが可能です。最近では、スピンと超伝導の相関に興味を持って、超伝導体／磁性半導体接合におけるスピン依存超伝導、超伝導体／半導体接合への円偏光照射による光誘起スピンの影響について研究を進めています。
本領域での研究
新学術領域では、超伝導体／磁性半導体接合を舞台として、奇周波数超伝導状態や逆近接効果について調べる予定です。期待される量子現象を効果的に観測できるようにするため、理論研究者の皆様と密接な連携を取りながら、実験を進めていきたいと考えています。
その他
様々な材料を組み合わせることで、思いもよらない現象が発現するのが「複合材料」の醍醐味です。今後も、固定観念にとらわれず、色々な材料の組み合わせに挑戦していきたいと思います。
略歴
- 1980年
- 私立土佐高校卒業
- 1984年
- 九州大学理学部物理学科卒業
- 1986年
- 九州大学大学院理学研究科修士課程修了
- 1986年
- NTT 基礎研究所 研究員
- 1995年
- 博士（工学）（大阪大学）
（InAs系高移動度半導体の電子輸送特性ならびに超伝導接合への応用に関する研究） - 2005年
- NTT物性科学基礎研究所 スピントロ二クス研究グループ グループリーダ 現在に至る
主な受賞
- 2010年
- 応用物理学会論文賞
代表論文
"Observation of enhanced thermal noise due to multiple Andreev reflection in ballistic
InGaAs-based superconducting weak links",
T. Akazaki, H. Nakano, J. Nitta, and H. Takayanagi,
Applied Physics Letters 86, 132505(1)-(3) (2005).
"Rashba spin-orbit coupling probed by the weak antilocalization analysis in InAlAs/InGaAs/InAlAs quantum wells as a function of quantum well asymmetry",
T. Koga, J. Nitta, T. Akazaki, and H. Takayanagi,
Physical Review Letters 89, 046801(1)-(4) (2002).
"Gate control of spin-orbit interaction in an inverted In0.53Ga0.47As/In0.52Al0.48As heterostructure",
J. Nitta, T. Akazaki, H. Takayanagi, and T. Enoki,
Physical Review Letters 78, 1335-1338 (1997).
"Observation of enhanced thermal noise due to multiple Andreev reflection in ballistic
InGaAs-based superconducting weak links",
T. Akazaki, H. Takayanagi, J. Nitta, and T. Enoki,
Applied Physics Letter 68, 418-420 (1996).
"Observation of Maximum supercurrent quantization in a superconducting quantum point contact",
H. Takayanagi, T. Akazaki, and J. Nitta,
Physical Review Letters 75, 3533-3536 (1995).
