■ 若手相互滞在記
◆ D01 → D01
塩崎 謙 京都大学 大学院理学研究科 博士課程2年
2013年8月19日〜2013年8月29日
私はトポロジカル絶縁体・超伝導体に関する理論研究を行っている。結晶の点群、空間群の対称性によって守られたトポロジカル結晶絶縁体・超伝導体の分類は重要な課題の一つであるが、系統的な分類法は知られていない。2013年8月19日-8月29日の期間、名古屋大学の佐藤氏の下に滞在し、この問題解決に向けClifford代数を用いたアプローチを試みた。その結果、2 回対称、空間反転といった2 回の変換操作で元に戻る対称性に関しては系統的に分類が可能であることが分かった。またその結果をトポロジカルに守られたdefect zero mode の分類に対し拡張した。【記事全文】(1,039KB)
◆ D01 → D01
小沢 英之 名古屋大学 大学院工学研究科 修士課程1年
2013年7月22日〜2013年7月31日
私は佐藤昌利准教授の下で、トポロジカルクリスタル絶縁体の数値計算を行ってきた。私のこれまでの研究ではトポロジカル絶縁体のみに焦点を当ててきたが、研究の視野を超流動ヘリウム3にまで広げたいと考え、今回若手派遣プログラムに申し込んだ。滞在する研究室については、超流動ヘリウム3を学ぶために、岡山大学の水島健助教が居られる研究室を選び、2013年7月20日−7月30日の期間滞在した。滞在中はBessel 関数系やGauss-Lobatto 求積分則を利用した discrete variable representation 法を用いてBdG 方程式を解く方法を指導していただき実際に数値計算を行った。【記事全文】(1,184KB)
◆ D01 → D01
小林 伸吾 東京大学大学院 理学系研究科 博士課程3年
2012年8月31日〜2012年9月14日
私はこれまでトポロジカル励起の分類の研究を行なってきた。ノードを持ったトポロジカル超伝導体ではAltland-Zirnbauerの分類を適用することが出来ず、理論を拡張する必要があり、2012年8月31日-9月14日の期間名古屋大学に佐藤氏を訪ね議論した。その結果、結晶の持つ点群対称性(PGS)に着目し研究を進めることが可能であることが分かった。また数値計算の結果、系の乱れに関わりなく2次元格子の角に残るマヨラナ状態が存在することを発見した。【記事全文】(1,523KB)
◆ B01 → B01
金本 真知 京都大学 大学院理学研究科 博士後期課程3年
2012年7月17日〜2012年7月27日
私は、超流動ヘリウム3のテクスチャーをNMR(磁気共鳴)の原理を利用した周波数分解イメージングによって可視化することを手段として、超流動ヘリウム3の中に出現するトポロジカルな構造の研究をしている。音波を用いた実験での知見と、我々の知見を照らし合わせるため2012年7月17日-27日の期間大阪市立大学石川氏のグループに滞在した。超流動ヘリウム3のテクスチャー情報をNMR、音波測定などからいかにして取得するかなどについて議論した。また、冷凍機・実験セルなどの製作技術について、大阪市立大学で培われて来た先進的な技術を学んだ。 【記事全文】(1,445KB)
◆ A01 → A01
齋藤 広大 産業技術総合研究所 電子光技術研究部門 ポスドク研究員
2012年6月19日〜2012年6月30日
現在「Nb/Sr2RuO4ジョセフソン接合等におけるジョセフソン電流の接合サイズ依存性」の研究を行っているが、2012年6月19日〜30日の間、A01班の京都大学・固体量子物性研究室に滞在して、「Sr2RuO4小片の作製」の研究を行った。 【記事全文】(1,789KB)
◆ D01 → C01
橋本 樹 名古屋大学 大学院工学研究科 修士課程1年
2012年6月18日〜2012年6月29日
私はトポロジカル絶縁体に直接ドープして得ることができた初めての超伝導体CuxBi2Se3を念頭に、クーパーペアの対称性を明らかにすることを目的として具体的な物理量(状態密度,比熱,帯磁率)の理論計算を行なっている。実験を実施している大阪大学の瀬川氏のグループに2012年6月18日-29日の期間滞在し、その概要を学んだ。セミナーや議論を通して学ぶべきことが多くあることに気づかされた。 【記事全文】(1,775KB)
◆ C01 → B01
俣野 和明 岡山大学大学院自然科学研究科 ポスドク研究員
2012年2月2日〜2012年2月9日
私は現在NMR(磁気共鳴)法により超伝導物性を研究しており、MRI(磁気共鳴映像)技術を習得し物性研究に応用したいと考えていた。MRI技術を応用しヘリウム3の超流動を観測している京都大学佐々木研に2012年2月2日-9日の期間滞在し、実験技術の習得を目指した。滞在中、MRI手法について理解を深めることができた。物性とヘリウム3では同じNMR技術を使っているものの、分野が異なるため情報交換がされてこなかった。今回の滞在で測定法や機器の有益な情報交換ができた。
◆ B01 → B01
秋山 綱紀 東京工業大学大学院理工学研究科 博士課程1年
2012年1月25日〜2012年1月31日
私は超流動 3HeーB相における表面アンドレーエフ束縛状態のマヨラナ性に起因する磁気異方性を検証する実験を行っている。研究室において行っている横波音響インピーダンス測定だけでは検討が困難であり、NMR(磁気共鳴)による帯磁率測定を準備中である。超流動3HeのNMR(磁気共鳴)実験を数多く行ってきた京都大学の佐々木氏のグループに2012年1月25日-31日の期間滞在し、測定系やNMR 信号の評価・解析、SQUIDの活用方法などを勉強した。 実験場の注意点や今後予想される課題や問題点を明確にすることができた。
◆ B01 → D03
竹内 宏光 広島大学大学院総合科学科学研究科 ポスドク研究員
2012年1月18日〜2012年1月31日
2成分ボース・アインシュタイン凝縮体におけるDブレーンの不安定性とタキオン凝縮の研究を行っている。その物理の超流動ヘリウム3への適用に関して慶応大学新田研に2012年1月18日-31日の期間滞在し、ドメイン壁の対消滅による量子渦の生成に関する議論を重点的に行った。来年度も機会があれば本プログラムを利用したい。
◆ C01 → A01
包 桂芝 岡山大学 大学院自然科学研究科 博士課程1年
2011年10月10日〜2011年10月21日
私は空間反転対称性の破れた結晶構造で発現する超伝導に対する非磁性不純物効果を調べている。対象となる超伝導体Li2Pt3Bは転移温度が低いため、温度ー磁場の相図の全容を明らかにするのが困難であった。より低温におけるデータを得るために、京都大学前野研に2011年10月10日-21日の期間滞在した。装置の不具合のため、目的をすべて達成できなかったが、物理以外にも多くを学んだ。 【記事全文】(919KB)
◆ B01 → B01
秋山 綱紀 東京工業大学大学院理工学研究科 博士後期課程1年
2011年3月1日〜2011年3月7日
私は超流動3HeB相における表面アンドレーエフ束縛状態のマヨラナ性に起因する磁気異方性を検証している。NMR(磁気共鳴)による帯磁率測定を行いたいのだが、当研究室には十分な知見がない。そこで、超流動3HeのNMR実験を数多く行ってきた大阪市立大学石川研に2011年3月1日-7日の期間滞在し、実験技術及び、我々の計画に対するアドバイスをいただいた。 【記事全文】(1,009KB)
◆ D01 → D01
伊井 彰宏 名古屋大学大学院 工学研究科 修士課程1年
2011年2月16日〜2011年2月22日
私は量子異常ホール絶縁体/s波超伝導体接合系においてカイラルMajoranaエッジ状態が発現するという理論的提案に基づき、状態密度などの数値計算を行なっている。トポロジカル相の識別、背景をなす数理構造を議論するため、東京大学物性研究所の押川研究室に2011年2月16日-22日の期間滞在し議論を行った。その結果、トポロジカル超伝導およびその物性に関してより深い理解を得ることが出来た。 【記事全文】(1,125KB)
◆ A01 → C01
江口 学 京都大学大学院理学研究科 博士課程1年
2010年9月28日〜2010年10月9日
私は「空間反転対称性の破れた凝集系で起こる超伝導現象」を主題とした研究を行っており、上記対称性の破れに起因する新奇現象が顕著に現れる Li2(Pd1-xPtx)3B の試料作製及び超伝導対称性に関する議論を行うことを目的として、2010年9月28日ー10月9日の期間、岡山大学の鄭教授、稲田教授の基に滞在した。新たに10個の試料を作製し、それらの磁化測定、X線回折評価を行うことが出来た。また、比熱の振舞に関する議論および純良試料育成に関する議論を行い、理論的、歴史的側面と意義についてご教示を頂いた。さらに学生同士での議論も大変刺激になり、今後の研究方針を考える上でも非常に有意義な滞在であった。 【記事全文】(911KB)
◆ C01 → A01
上野 和紀 東北大学原子分子材料科学高等研究機構 助教
2010年8月2日〜2010年8月20日
私はこれまでに、電界効果により絶縁体に超伝導を誘起することに成功している。臨界磁場の方位依存性、超伝導の二次元性、超伝導層の厚さを評価するため、京都大学の前野研究室に2010年8月2日ー20日の期間滞在し、ベクトル・マグネット回転装置と希釈冷凍機を用いて測定を行った。わずか3週間という短い研究期間でキャリア濃度を系統的に変化させながらの二次元性評価、特性評価を実現した。 【記事全文】(923KB)