福井 隆裕 (Takahiro Fukui)
- 所属:
- 茨城大学(理学部)教授
- 研究題目:
- トポロジカルな欠陥に局在するマヨラナ状態と指数定理
- 領域での役割:
- D02班公募研究代表者
■ 研究室 ■ 新学術研究紹介 [165KB]
これまでの研究
量子ホール効果ではホール伝導率は量子化され、その各プラトーはチャーン数と呼ばれるトポロジカル不変量によって特徴付けられます。このチャーン数を上手に数値計算する方法を研究したのが、この分野における最初の研究でした。それ以来、量子スピンホール効果やトポロジカル絶縁体・超伝導体に関する研究を、主に数理物理学的観点から行ってきました。
本領域での研究
トポロジカル絶縁体・超伝導体は10の普遍クラスに分類されることが知られていますが、最近では、これらに様々なタイプのトポロジカル欠陥を導入したときのゼロモードが詳細に分類されて興味を持たれています。これらのゼロモードは分数統計に従い量子計算などにも利用される可能性を秘めています。特に超伝導体中のマヨラナ型のゼロモードを指数定理という厳密な理論によって研究を行っていきたいと考えています。
略歴
- 1987年
- 京都大学理学部卒業
- 1989年
- 京都大学大学院理学研究科修士課程修了
- 1992年
- 京都大学大学院理学研究科博士課程修了
- 多数の場所でポスドクとして修行を積んだ後
- 1999年
- 茨城大学理学部助教授
- 2006年
- 同教授、現在に至る
代表論文
"Z2 index theorem for Majorana zero modes in a class D topological superconductor",
T. Fukui and T. Fujiwara,
Phys. Rev. 82, 184536 (2010).
"Majorana zero modes bound to a vortex line in a topological superconductor",
T. Fukui,
Phys. Rev. B 81, 214516 (2010).
"Topological stability of Majorana zero-modes in superconductor-topological insulator systems",
T. Fukui and T. Fujiwara,
J. Phys. Soc. Jpn. 79, 033701 (2010).
"Chern numbers in discretized Brillouin zone: Efficient method of computing (spin) Hall conductance",
T. Fukui, Y. Hatsugai, and H. Suzuki,
J. Phys. Soc. Jpn, 74, 1674 (2005).