Topological Quantum Phenomena in Condensed Matter with Broken Symmetries

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メンバープロフィール

大村 彩子(Ayako Oomura)

所属:
新潟大学(研究推進機構・超域学術院)助教
研究題目:
多重極限下の電子・熱物性測定と結晶構造解析による圧力誘起トポロジカル超伝導の研究
領域での役割:
C01班公募研究代表者
■ 研究室 ■新学術研究紹介 [1116KB]

これまでの研究

 高圧力下の固体物性に興味をもち、放射光X線回折や分光法、電気抵抗測定を手法として研究を行ってきました。大学院時代は、高エネルギー放射光X線を用いて高圧力下の非晶質構造の解析法を確立し、分子性結晶における圧力誘起アモルファス化やポリアモルフィズムのメカニズムを構造の視点から研究しました。原子力機構在籍時は、希土類金属が水素化に伴う金属−絶縁体転移や圧力で誘起される水素化物の再金属化に注目し、高圧セル中で金属と水素を直接反応させて振動状態や結晶構造をその場観察することにより水素化過程を研究しました。現職に着任後に低温物理に携わるようになり、近年はビスマス系A2B3型化合物やBi-Sb置換型合金における圧力誘起超伝導を物性と構造の両面から調べています。

本領域での研究

大村 彩子  本領域での研究 イメージ

 新学術領域では、トポロジカル絶縁体における圧力誘起超伝導の探索および転移機構の解明を目指します。そのために低温高圧力下で複数の輸送特性が測定可能なシステムの構築も進めます。Bi2Te3(右図)やBi2Se3など複数のトポロジカル絶縁体では、既に超伝導が観測されています。これらA2B3型の圧力誘起超伝導については、輸送特性や超伝導に寄与する結晶構造、バンド計算によりトポロジカル超伝導の可能性が議論され始めています。このような疑問に対して、実験グループと理論グループで連携して解決できることを楽しみにしております。圧力は純粋に物質の体積効果をみることができる手法です。最近理論予測された圧力誘起トポロジカル相転移などの圧力誘起現象を始めとして、高圧力を用いてトポロジカル絶縁体の物性解明に貢献できればと思います。

略歴

1999年
お茶の水女子大学 理学部 物理学科 卒業
2004年
お茶の水女子大学大学院 人間文化研究科 博士課程修了
2004年
日本原子力研究所 関西研究所 放射光科学研究センター 博士研究員
2005年
独立行政法人日本原子力研究開発機構 関西光科学研究所 博士研究員
2006年
東北大学大学院 工学研究科 研究支援者
2008年
新潟大学 超域研究機構 助教
2011年
新潟大学 研究推進機構 超域学術院 助教、現在に至る

代表論文

"Pressure effect on critical temperature for superconductivity and lattice parameters of AlB2-type ternary silicide YbGa1.1Si0.9",
A. Ohmura, K. Fujimaki, F. Ishikawa, Yuh Yamada, N. Tsujii, M. Imai
Phys. Rev. B 84, 104520, (Sep. 2011).

"Pressure-induced phase transition of Bi2Te3 into the bcc structure",
M. Einaga, A. Ohmura, A. Nakayama, F. Ishikawa, Yuh Yamada,
Phys. Rev. B 83, 092102 (March 2011).

"Structure of pressure induced amorphous form of SnI4 at high pressure",
A. Ohmura, K. Sato, N. Hamaya, M. Isshiki, Y. Ohishi,
Phys. Rev. B 80, 054201 (August 2009).

"Photochromism in yttrium hydrides",
A. Ohmura, A. Machida, T. Watanuki, K. Aoki, S. Nakano and K. Takemura,
Applied Physics Letters 91, 151904 (Oct. 2007).

"Infrared spectroscopic study of the band-gap closure in YH3 at high pressure.",
A. Ohmura, A. Machida, T. Watanuki, K. Aoki, S. Nakano and K. Takemura,
Phys. Rev. B 73, 104105 (March 2006).

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