野村 晋太郎 (Shintaro Nomura)
- 所属:
- 筑波大学(大学院数理物質科学研究科)准教授
- 研究題目:
- ナノメートルサイズ領域の半導体物性の研究
- 領域での役割:
- A01班公募研究代表者
■ 研究室 ■新学術研究紹介 [1137KB]
これまでの研究
ナノメートルのサイズ領域で量子相関が顕在化する半導体の物性に主に興味を持って、分光学的手法と低温測定技術とを組み合わせた研究を進めてきました。 大学院時代は、半導体ナノ微結晶を対象に励起子-フォノン相互作用やg 因子が量子閉じ込めによってどのように変わるかを研究しました。その後、III-V族の半導体量子細線、半導体量子ドット、半導体ヘテロ接合を対象に多数のキャリア間相互作用の関わる現象を探求してきました。多くの方々のご助力を受け、希釈冷凍機を用いた分光学的研究を進め、さらに近接場光学顕微鏡を希釈冷凍機温度で動作させることに成功しました。これらの測定系により、フェルミ端異常、分数量子ホール効果、量子ホール端状態等を分光学的手法から研究してきました。
本領域での研究
計画研究A班内の連携として、新たな物質系に挑戦してトポロジカルな性質の関わる研究に貢献したいと考えています。
その他
「トポロジカル量子現象」という産業界から見ればとても基礎的なところにこそ、本当のイノベーションの芽があることを示していければと考えています。
略歴
- 1989年
- 東京大学理学部物理学科卒業
- 1994年
- 東京大学理学系研究科物理学専攻 博士(理学) 取得 (半導体微結晶の研究)
- 1994年
- 理化学研究所フロンティア研究システム フロンティア研究員
- 1996年
- 理化学研究所半導体工学研究室 研究員
- 1999年
- 筑波大学物理学系 助教授
- 2005年
- -2010年 NTT物性科学基礎研究所 リサーチプロフェッサ
- 2012年
- 筑波大学物理学域 准教授、現在に至る
代表論文
"Near-Field Optical Mapping of Quantum Hall Edge States",
H. Ito, K. Furuya, Y. Shibata, S. Kashiwaya, M. Yamaguchi, T. Akazaki, H. Tamura, Y. Ootuka, and S. Nomura,
Phys. Rev. Lett. 107, 256803-1-5 (Dec. 2011).
"Clear evidence of transition from nonlinear to linear screening of a two-dimensional electron system detected by photoluminescence spectroscopy",
M. Yamaguchi, S. Nomura, T. Maruyama, S. Miyashita, Y. Hirayama, H. Tamura, and T. Akazaki,
Phys. Rev. Lett. 101, 207401-1-4 (Nov. 2008).
"Optical probing of spin polarization of electrons in quantum dot edge channels",
S. Nomura, and Y. Aoyagi,
Phys. Rev. Lett. 93, 096803-1-4 (Aug. 2004)
"Near-field optical mapping of exciton wave functions in a GaAs quantum dot",
K. Matsuda, T. Saiki, S. Nomura, M. Mihara, Y. Aoyagi, S. Nair and H. Takagahara,
Phys. Rev. Lett. 91,177401-1-4 (Oct. 2003).
"Exciton-LO-phonon couplings in spherical semiconductor microcrystallites",
S. Nomura and T. Kobayashi,
Phys. Rev. B 45, 1305-1316 (Jan. 1992).