メンバー

メンバープロフィール

上田 正仁

上田 正仁 (Masahito Ueda)

東京大学(大学院理学研究科) 教授

専門分野
冷却原子気体
領域での
研究テーマ
ボソンのトポロジカル量子相
領域での役割
D01班分担者

E-mail : ueda[at]phys.s.u-tokyo.ac.jp

これまでの研究

 冷却原子気体および情報熱力学の理論的研究を行ってきました。冷却原子気体は、系を特徴づけるほとんどすべてのパラメータを高い精度でコントロールできる人工量子物質であり、この系を使ってどんな新しい物理が開拓できるかに関心を持って研究してきました。この系は孤立量子系の非平衡統計力学という観点からもプロトタイプとなる系であり、孤立量子多体系を測定してフィードバックするという観点からも研究を行っています。

本領域での研究

 光格子系で理論的に予言されているカイラルエッジ準粒子は、基底状態の凝縮体をエッジモードにコヒーレントに励起することによって実験的に観測可能です。このような操作は、冷却原子系がエネルギーを保存する形であるために可能になります。また、原子の持つ内部自由度がダイナミカルな自由度となるスピノール・ボース・アインシュタイン凝縮体においては、半整数量子渦やノットのようなエキゾチックなトポロジカル励起が可能になります。本研究では、これらの例のようなボソン系に特有のトポロジカル量子現象の発見を目指して研究を行います。

略歴

1986年
東京大学理学部物理学科卒業
1988年
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士課程 修了
1988年
日本電信電話株式会社基礎研究所 研究員
1991年
理学博士取得 (東京大学)
1994年
広島大学工学部第二類電子物性大講座助教授
2000年
東京工業大学大学院理工学研究科物性物理学専攻教授
2008年
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授 現在に至る

主な受賞

2002年
松尾学術賞
2007年
文部科学大臣表彰科学技術賞研究部門 
2008年
仁科記念賞
2009年
日本学術振興会賞

代表論文

"Macroscopic quantum tunneling of a Bose-Einstein condensate with attractive interaction"
M. Ueda and A. J. Leggett,
Physical Review Letters 80, 1576-1-4 (Feb. 1998).
DOI: http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.80.1576

"Exact eigenstates and magnetic response of spin-1 and spin-2 Bose-Einstein Condensates",
M. Koashi and M. Ueda,
Physical Review Letters 84, 1066-1-4 (Feb. 2000).
DOI: 10.1103/PhysRevLett.84.1066

"Bose Gases with Nonzero Spin"
M. Ueda,
Annual Review of Condensed Matter Physics 3, 263-1-24 (Mar. 2012)
DOI: 10.1146/annurev-conmatphys-020911-125033

"Spinor Bose gases: Symmetries, magnetism, and quantum dynamics"
Dan M. Stamper-Kurn, M. Ueda,
Reviews of Modern Physics 85, 1191-1-54 (Jul. 2013).
DOI: http://dx.doi.org/10.1103/RevModPhys.85.1191