メンバー
メンバープロフィール
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宇田川 将文 (Masafumi Udagawa)
学習院大学(理学部物理学科) 准教授
- 専門分野
- 物性理論
- 領域での
研究テーマ - 強相関トポロジカル電子状態の理論
- 領域での役割
- A01班分担者
E-mail : Masafumi.Udagawa[at]gakushuin.ac.jp
これまでの研究
大学院の頃は超伝導の研究を行っていましたが、博士号取得後はスピンアイスなど、幾何学的フラストレーションをもつ磁性体についての研究に主に携わってきました。特に遍歴する電子や励起に対するフラストレーションの効果に注目し、特異な輸送現象や量子相転移、重い電子挙動などの現象を研究してきました。本領域での研究
幾何学的フラストレーション系は数多くの非自明なトポロジカル相を発現する母体となるシステムです。ワイル半金属相の実現が有望視されるパイロクロア酸化物系、分数励起を伴う量子スピン液体相の安定化が期待される量子スピンアイス系、そして近年、キタエフスピン液体の精力的な探索が行われているIr酸化物系がその代表例です。私は長く幾何学的フラストレーション系の理論研究に携わって来た経験を生かし、これら広汎な物質系におけるトポロジカル相の安定性、トポロジカル量子相転移の性質の決定、また、キャリアドープによる超伝導発現などのテーマに携わり、研究を進めて行きたいと思います。略歴
- 2002年
- 東京大学理学部物理学科 卒業
- 2006年
- 東京大学理学系研究科物理学専攻博士課程 中退
- 2006年
- 東京大学大学院工学系研究科 助手
- 2007年
- 東京大学理学系研究科 論文博士(理学博士)
- 2007年
- 東京大学大学院工学系研究科 助教
- 2011年
- Max Planck研究所(MPI PKS) 客員研究員
- 2015年
- 学習院大学理学部物理学科 准教授 現在に至る
主な受賞
- 2015年
- 第九回日本物理学会若手研究奨励賞
代表論文
"Topology and Interactions in a Frustrated Slab: Tuning from Weyl Semimetals to C>1 Fractional Chern Insulators"
E. J. Bergholtz, Zhao Liu, M. Trescher, R. Moessner and M. Udagawa,
Physical Review Letters 114, 016806-1-6 (2015).
DOI: 10.1103/PhysRevLett.114.016806
"Anomalous Hall effect from frustration-tuned scalar chirality distribution in Pr2Ir2O7"
M. Udagawa and R. Moessner,
Physical Review Letters 111, 036602-1-5 (Jul. 2013).
DOI: 10.1103/PhysRevLett.111.036602
"Non-Kondo mechanism for resistivity minimum in spin ice conduction systems"
M. Udagawa, H. Ishizuka and Y. Motome,
Physical Review Letters 108, 066406-1-5 (Feb. 2012).
DOI: 10.1103/PhysRevLett.108.066406
"Quantum melting of charge ice and non-Fermi-liquid behavior: An exact solution for the extended Falicov-Kimball model in the ice-rule limit"
M. Udagawa, H. Ishizuka and Y. Motome,
Physical Review Letters 104, 226405-1-4 (Jun. 2010).
DOI: 10.1103/PhysRevLett.104.226405
"Chirality-driven mass enhancement in the kagome Hubbard model"
M. Udagawa, and Y. Motome,
Physical Review Letters 104, 106409-1-4 (Mar. 2010).
DOI: 10.1103/PhysRevLett.104.106409