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カナダのオンタリオ州ハミルトンで5月4日から7日に行われた 2008 CIFAR Quantum Materials Summer School、トロントで5月8日から10日に行われた Main Meeting にPDのKrienerさんとともに参加しました。
滞在中の日程はこんな感じでした。
5/ 3(土) 関西国際空港 発 (17:15) → バンクーバー国際空港 着 (10:50)
バンクーバー国際空港 着 (13:15) → トロント国際空港 着 (20:43)
5/ 4 (日)- 5/ 7 (水) Summer School @McMaster大学 (主に学生によるTalkやMcMaster大の教授による講義、月曜にポスター発表)
5/ 8 (木)- 5/10 (土) Main Meeting@Marriott-Toronto/Bloor Yorkville Hotel (会議メンバーによるオーラル発表がメイン、午後は毎日ポスター発表、木曜夜に食事会)
5/12 (月) トロント国際空港 発 (8:30) → バンクーバー国際空港 着 (10:30)
バンクーバー国際空港 発 (12:55) → 関西国際空港着 (翌15:45)
CIFARとはThe Canadian Institute for Advanced Researchの略で、 カナダ国内の基礎研究の促進を目的とした組織のこと。 CIFARには物理・生物から社会科学にいたるまで様々な研究領域が 含まれているようですが、その中の一つに"Quantum Materials"という 固体物理学の研究領域があります。
CIFARの"Quantum Materials"は毎年5月頃に研究報告会 (学生向けのSummer School約3日間+Main Meeting約3日間)を開いていて、 この研究報告会は毎年、トロント・バンクーバー・モントリオールなどの 大きな大学のある都市で順に開かれているようです。 我らが前野教授はCIFAR Quantum Materialsのメンバーの一人で、 この報告会に毎年固体量子物性研究室から学生1~2名が参加することができます。
このSummer SchoolとMain Meetingで私はCaCu3Ru4O12という 銅もルテニウムも含むペロブスカイト酸化物の物性に関する ポスター発表をしてきました。 KrienerさんはBドープSiCの超伝導についてSummer Schoolでは ポスターとオーラルの両方、Main Meetingではポスターでの発表でした。
ハミルトンはカナダの中東に位置するオンタリオ州の南東、 オンタリオ湖(五大湖の一つ)の沿岸にある市で、地理的な重要性から重工業が発達し、 「製鉄の街」として有名なところです。 ナイアガラ断層が街の近くを走っていて少なくとも78もの滝があり、 「滝の街」の名のもと、新たな観光地となる可能性を秘めているそうです。
今回のSummer SchoolはハミルトンのMcMaster大学で行われました。
CIFAR Quantum Materials Summer Schoolは学生によるTalkや McMaster大学の教授による講義が中心です。 ポスターセッションは月曜の午後にあります。
5月4日。
夜のWelcome BBQまで時間があったので、Krienerさんとハミルトン市内を散策しました。
Welcome BBQは大学内のテラスで開かれました。 Summer Schoolに出席していた学生(50人くらい?)のほとんどがカナダ国内の大学の所属で、 カナダ国内以外の大学から来ていた人は少数でした。 なのでまわりは9割英語、1割フランス語で、英語を話す経験の少ない私は なかなか人と話すことができませんでした。 しかしカナダの人はどんどん話しかけてくれて、また私の拙い英語も全然気にせず聞いてくれて、 徐々に会話に溶け込めるようになりました。 また、日本人でカナダのUniversity of British Colombiaから来られていた 和達(わだち)さんとも話すことができ、和達さんが周囲の参加者に積極的に話しかけている 姿を見て、私も自分から話さなくてはという気になりました。
5月5日。
本格的な講義が始まりました。この日はQuantum Spin Systems関連、NMR、中性子散乱などの 実験関連の講義でした。英語の講義でわからない部分も多かったのですが、部分的に聞き取ることができました。 これも普段のQMコロキウムのおかげです。
夕方にはポスターセッションがあり、Krienerさんと私はポスターを掲示して 見に来られた方に自分の研究について発表しました。 私のところには5人ほど聞きに来てくれました。やはり英語で説明するのは難しかったです。
他の発表者のポスターも見て回りました。 中でも、ダブルペロブスカイト酸化物のマルチフェロイック性の お話が面白かったです。
この日の夜はHess Villegeでご飯を食べました。
5月6日。
講義2日目。この日は理論、実験どちらの話もあり、内容も幅広いものでした。 Student Talksの中で、Krienerさんがオーラルで発表しました。
この日の夜は大学内でSchool Banquet(食事会)がありました。
5月7日。
Summer School最終日。今日の講義も幅広い内容でした。 共同研究者に我らが前野教授の名前があって、改めてその偉大さに気付きました。
講義が終わった後ホテルに戻りチェックアウトをして、各自でトロントに移動しました。
トロントはカナダ最大の都市です。金融や経済、メディア、教育研究、 スポーツ、観光などさまざまな産業基盤が発達しています。 またカナダに入ってきた移民を多く受け入れていることを反映して、 トロントは多文化的かつ人口構成も国際色豊かです。 犯罪発生率は低く、街は清潔で、人々の生活水準も高いため、 世界的に見ても住みやすい都市の一つだとされています。 その反面、トロントはカナダ国内で最も生活費が高い都市だそうです。。
Main MeetingはトロントのMariott-Toronto/Bloor Yorkvilleホテルで開催されました。 一泊数万円の高級ホテルです。
このCIFAR Quantum Materials Main Meetingではメンバーによるオーラル発表がメインで、 どの日も午後にはポスターセッションがありました。
5月8日。
この日はフラストレート遷移金属酸化物や高温超伝導のお話がありました。
午後3時からはポスターセッションです。 ここでもKrienerさんと私はポスター発表をしました。
この日の夜には時間があったので、近くの球場にメジャーリーグの試合 (ブルージェイズ対レイズ)を見に行きました。 9回裏にブルージェイズが3点差を追いつき延長までもつれ込む ナイスゲームでした。
5月9日。
昨夜の興奮も冷めやらない中、この日も朝から講義です。 昨日に引き続き高温超伝導のお話がメインでした。
夜にはGroup Dinnerがありました。
5月10日。
とうとう講義も最終日。フェルミアークやLaOFeAsなどのお話がありました。 この頃にはネイティブの英語もだいぶ聞き取れるようになっていました。
この日の夜は自由でした。KrienerさんとJochenさんと トロントを観光しました。ダウンタウンを通るYongeストリートを 通り湖まで出て、湖ぞいの道を歩いてCNタワーに向かいました。
思いつきで、オンタリオ湖に浮かぶ小さな島を船で回りました。
船から降りた後、CNタワー(Canadian National Tower)に 上りました。CNタワーは高さ553.33 mで、世界一高い展望台 スカイポッド(447 m)を持っています。
帰りのフライトまで一日空いていたので、トロントからバスで 2時間ほど離れたところにあるナイアガラの滝を観光してきました。
予想していたほどの高さはありませんでしたが、横幅が広く、 近くまで行くとあまりの水の勢いに圧倒されました。
海外に行くことにも慣れておらず、英語も得意ではないので 行く前はかなり不安でした。行ってみると初めのうちはやはり会話に苦労し、 自分の英語力のなさを痛感しました。ですがカナダの方々は下手な英語も気にせず聞いてくれて、 聞き取れないときも言い直してくれて英語で会話することに徐々に抵抗がなくなりました。 また分からないなりにも毎日英語の講義を受けたことで、 会議が終わるころにはにはネイティブの英語もだいぶ聞き取れるようになっていました。
この会議の期間中、特にUBCの和達さんには非常にお世話になりました。 本当にありがとうございました。
トロントはゆったりとした、過ごしやすいところでした。 見どころも多くあり、観光にはもってこいの場所です。 機会があればまた行きたいです。