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ルテニウム酸化物超伝導体Sr2RuO4は核磁気共鳴(NMR)の実験等からスピン三重項equal spin状態にあると考えられています。 超伝導体ではフラクソイドが磁束量子Φ0を単位として量子化することが知られていますが、このような超伝導状態では波動関数が軌道の自由度に比べてスピンの自由度も持つため、フラクソイドがΦ0/2を単位に量子化することが可能となります。 このようなフラクソイド状態は半整数量子フラクソイドと呼ばれており、磁気トルクの研究からその観測が報告されています [1]。
我々の実験では、磁気輸送特性から半整数量子フラクソイドの検出を目指して研究を行ってきました。 そのために、集束イオンビームを用いてSr2RuO4単結晶をリング状に加工し(図)、4端子での電気抵抗の測定を行いました。 そして、半整数量子フラクソイドで期待されていた磁気抵抗振動のピーク分裂を観測しました。詳細はAPSのウェブページをご覧ください。
本研究はライデン大学のAarts教授のグループとの共同研究です。 プレプリントもありますのでこちらもご覧ください。
[1] J. Jang et al., Science 331, 186 (2011).