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超伝導ギャップの大きさが自発的に結晶の回転対称性を破るネマティック超伝導体CuxBi2Se3

CuxBi2Se3はトポロジカル超伝導体の可能性が理論的に示唆されている物質です。 我々は本物質のバルク超伝導状態の性質を調べるため、磁場精密制御下において比熱測定を行いました。 その結果、超伝導状態の比熱及び上部臨界磁場の面内磁場方向依存性が結晶の三回回転対称性を破った二回回転対称を示すことを明らかにしました。

この結果はCuxBi2Se3が結晶の対称性を自発的に破る「ネマティック超伝導体」であるということを示すとともに、 理論予測との比較からトポロジカル超伝導体であるという熱力学的な証拠にもなっています。 本研究はドイツのケルン大学の安藤教授、京都産業大学の瀬川教授、原子力機構の永井氏らとの共同研究によるものです。

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この結果はNature Phys.誌に掲載されました。 また、同誌の注目論文を紹介するNews and Viewsに紹介記事が掲載されたほか、 京大HPにプレスリリースが掲載され、 京都新聞日刊工業新聞で紹介していただきました。

CuxBi2Se3の結晶構造

図1:CuxBi2Se3の結晶構造(左)とab面内の三回対称性(右)

比熱と上部臨界磁場の面内磁場方向依存性

図2:超伝導状態と常伝導状態における比熱の面内磁場方向依存性(上)と上部臨界磁場の面内磁場方向依存性(下)

論文情報

Shingo Yonezawa, Kengo Tajiri, Suguru Nakata, Yuki Nagai, Zhiwei Wang, Kouji Segawa, Yoichi Ando and Yoshiteru Maeno
Nature Phys. 10.1038/nphys3907 Oct. 2016