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若手研究者派遣・招聘プログラム in アメリカ・スタンフォード 出張報告

http://topo-mat-sci.jp/topoqetc/

2017年10月28日から11月12日にかけて、若手研究者派遣・招聘プログラムを利用した共同研究のために池田(D1)がスタンフォード大学に滞在しました。

JREP

以下、「トポロジーが紡ぐ物質科学のフロンティア」のwebサイトにある紹介文のコピペです。

若手研究者派遣・招聘プログラム【JREP】(Junior Researcher Exchange Program) は、 新学術領域「トポロジカル物質科学(TMS)」に属する若手研究者(助教・特任助教・PD・大学院生等)の滞在型海外派遣と、 海外の若手研究者(Assistant Professor ・PD・大学院生等)の招聘を行うことで、関係研究グループの間での国際共同研究を加速的に推進することを目指します。 トポロジカル物質科学研究の展開という学際的視野を醸成する効果が期待されます。

以上がコピペです。 「加速的に推進」って単なる推進と何が違うんでしょうか。 研究についてのまじめな内容は http://topo-mat-sci.jp/achievements/ のNewsletterに掲載される予定です。

カリフォルニア州

私は関西国際空港からサンフランシスコ国際空港までユナイテッド航空を利用しました。 幸いにも座席のダブルブッキングはなく、安全に飛び立つことができました。 日本の航空会社とコードシェアしていたので、日本人乗務員もいて、乗客にも多くの日本人がいました。 機内食で「chicken with rice」かパスタか選べたので「chicken with rice」をお願いしたところ、から揚げ定食が出てきました。 たしかにから揚げ定食って「chicken with rice」やけど、洋風の「chicken with rice」がほしかったなーと思いました。 機内では多くの日本語の映画が視聴できました。 君の名はや3月のライオン、スターウォーズなどの有名映画を見まくりました。 あらかじめユナイテッド航空のwebサイトで登録しておくと、前の座席のスクリーンではなく自分のスマートフォンやタブレットで映画を見られるそうです。 というか、飛行機の前の座席のスクリーンは廃止に向かうというニュースを読んだことがあります。

サンフランシスコ国際空港での入国審査の際、「仕事か?」と聞かれました。 「出張だから仕事なのか?でもお金を稼ぐわけではないし・・・」などと考えていると、 審査官が「オーケー。メイビー、ハーフ・アンド・ハーフ。」と言って通してくれました。 「そんなんでいいんかい!」と心の中で突っ込んでいましたが、通れたのでよしとしました。 でもきっちり指紋は取られました。 現在、日本の警察は私の指紋を知りませんが、アメリカの警察は知っています。 最後にパスポートにハンコを押すとき、「あめりかー、はジめてー。」(アクセントは「ジ」)と歌うような日本語で言われました。 フランスでも審査官が日本語であいさつしてくれたのを思い出しました。

空港からホテルまでは乗り合いタクシーを利用しました。 曜日と時間によっては空港から電車が出ているのですが、普段は空港からバスで電車の駅に行き、それから電車を利用しなければなりません。 面倒なのであらかじめ乗り合いタクシーを予約していました。 タクシーの運転手に「予約していた池田です」と伝えると、運転手から「So, you are going ... レッウッシィー, アー?」と言われてこっちが「アー?」って感じでした。 「俺が行きたいのはレッドウッド・シティー(Redwood City)であってレッウッシィーじゃねーぞ」と思いましたが、運転手はスマホで何かを確認してから言ったので、 おそらく私の目的地はレッウッシィーなんだろうと思うことにしました。 この後たくさんのアメリカ人と話すことになりますが、3割くらい何を言っているのかわかりませんでした。 私は楷書しか読めないのに、向こうは草書で話しているような感覚でした。 タクシーに乗ると、出発前に運転手が何やらつぶやき始めました。 「今から出発しますみたいなことを本部に報告してるのかなー」と考えていると、私以外の乗客が口をそろえて「OK」と言いました。 どうやら私たちに向かって話していたようです。 私はさっぱり聞いていなかったので、「何かの情報がまるっきり抜け落ちた」という自覚だけがある恐怖を味わいました。 結局無事にレッドウッド・シティー(レッウッシィー)に着いたので問題ありませんでした。

スタンフォード大学はサンフランシスコのずっと南、シリコンバレーより少し北のパロ・アルトという町にあります。 しかしお金持ちが多いシリコンバレーに近いせいか、ホテルが1泊7万円や10万円するので泊まれません。 しかたなく、サンフランシスコとの間にあるレッドウッド・シティーのホテルに泊まりました。 (決してサンフランシスコに観光で行きやすいからではありません。) このホテルも1泊1万3千円ほどしますが、日本のビジネスホテルのほうがサービスが良かったです。 パジャマも歯ブラシもありませんでした。 しかも多くの部屋はシャワーが共用のようです。 (もちろんその分安いでしょうけど。) 1万円も払って共用のシャワーなど使いたくなかったので、私はシャワー付きの部屋に泊まりました。

レッドウッド・シティーからスタンフォード大学までは電車で数分だったので、毎日の通学は楽でした。 ただしこの電車は昼間や休日には1時間に1本しかありません。 地域によっては全く電車が通っていない場所もあり、車社会と言うよりも単なる田舎なんじゃないかと思いました。 電車が通っていなくてもバスなら行けることが多いのですが、まったくおすすめしません。 バス停を見つけるのが難しいし、車内で停留所のアナウンスもないので、初心者は終点から終点までしか乗れません。 実際、ゴールデンゲートブリッジにバスで行こうとした際に一度挫折して途中で目的地を変更しました。 サンフランシスコ周辺は観光バスを借り切ったツアーなら楽しめますが、公共交通機関は当てになりません。 (私の目的はサンフランシスコでも観光でもなかったので電車が使えれば問題ありませんが。) 公共交通機関の運賃の支払いには、日本のICOCAのようなICカードが使え、電車やバス、路面電車など何でも使えるので便利です。 ただしチャージできる場所が非常に限られているのが理解に苦しみます。 ホテルの最寄り駅であるレッドウッド・シティー駅にはチャージする機械がありませんでした。 日本に帰る直前に知ったのですが、駅の近くにあるスーパーでチャージできたそうです。

サンフランシスコは京都より少し寒かったかもしれません。 ゴールデンゲートブリッジやアルカトラズ島は海からの風が強いので、体感温度は気温より低かったのだと思います。 私の目的地であるパロ・アルトの気候は京都とそんなに変わらなかったように思います。

写真集

空からサンフランシスコを見てみよう。 こうやって見ると都会なんですが、電車が張り巡らされてないんですよ。 新幹線しか通ってなくて、在来線は無いみたいな感じです。
街並み。 とにかく道が広いです。 建物も大きいです。 土地が余ってるんでしょう。
歩行者用の信号は基本的に押しボタン式です。 たとえ同じ方向の車道の信号が青であっても、歩行者用信号はボタンを押さない限り赤です。 車社会どころか、歩行者を軽視しているように感じました。
これが電車(Caltrain)の駅です。 門が付いた改札はありません。 機械で切符を買えば誰にも見せずに電車に乗れます。 切符を買わずとも電車に乗れてしまうのが怖いところで、車内でたまに抜き打ちの検札があります。 ICOCAみたいなICカードを持っている場合は、機械にピッとして"TRAVEL OK"みたいな表示が出れば大丈夫です。 このときに乗った駅から終点までの料金がICカードから減り、降りた駅でピッとすると"REFUND"と表示されて差額が返ってきます。 BARTという違う会社の電車の駅にはきちんと改札があって、日本の電車に近かったです。
Caltrainは2階建てです。 通学時間帯以外はガラガラです。 自転車を持ったまま乗れる車両もあります。 基本的に1つの町に1つの駅しかありません。 1駅乗り過ごしてしまったときは、1時間かけて歩いて帰りました。 次の電車は1時間後だったので歩いても待っても時間的には同じでしたが、インターネット接続がない環境で1時間も暇をつぶす道具を持っていませんでした。 ネットはなくてもGPSは通じるので、googleマップをダウンロードしておけば迷うことはありません。
最高の物はみんな日本製です。 Caltrainも例外ではありません。
シリコンバレーのコンピューター歴史博物館。 最寄駅から徒歩30分です。 迷いながら行ったので最初は55分かかりました。 「昔の計算機」のコーナーではそろばんも紹介されています。 ソニーとフィリップスがCDを開発した話や、フラッシュメモリーを開発した舛岡さんが東芝をやめたエピソードもあります。 レトロゲームコーナーはパックマンやマリオなど、日本の独壇場でした。 もう一度日本が世界のゲームをリードする時代が来てほしいですね。
サンフランシスコのフィッシャーマンズ・ワーフにある海洋博物館。 昔の船乗りの生活や工芸品が紹介されています。 本当はゴールデンゲートブリッジに行きたかったのですが、途中でバスの乗り換えがわからずに挫折。 予定を変更して、1時間ほど歩いてフィッシャーマンズ・ワーフに行きました。 フィッシャーマンズ・ワーフまでの道のりは観光地でもなんでもない街でした。
有名なギラデリのチョコレート工場を改装したショッピングモール。 もちろんギラデリのチョコレートも売っています。 ここのフリーWi-Fiにはずいぶんお世話になりました。
パンに入ったクラムチャウダーが有名みたいです。 これ一つでおなかいっぱいになる大きさです。 しかも、クラムチャウダーを食べ終わってから味のないパンの底を食べることになります。 見た目はおもしろいですが、パンとスープを別にしたほうが理にかなっています。
野生のアシカがたむろしているそうです。
アクアリウム・オブ・ザ・ベイ。 サンフランシスコ湾と外洋の関係や湾の保全活動を紹介している教育的な水族館でした。 ここのフリーWi-Fiで帰りの電車を調べました。 しかし路面電車が遅れたり、バス停で迷って1時間に1本のバスに乗り遅れたりして、帰るのに3時間もかかりました。 路面電車は満員で、運転手による乗車拒否がかなりありました。 やはり公共交通機関は信用できません。
昔の刑務所がある島、アルカトラズ島。 風向きによってはサンフランシスコからの笑い声が聞こえたり、ギラデリのチョコレートの香りが漂ってきたそうです。 刑務所の建物やシステムは普通ですが、「サンフランシスコの自由を感じられるほど近く、手にするには遠い」という立地が囚人にとって苦痛だったようです。 観光ツアーでしか上陸できないので、私は公式webサイト(英語)から予約しました。 しかしホテルからフェリー乗り場まで行くのが至難の業で、メトロで降りる駅がわからずにかなり乗り過ごしてしまい、4.8キロメートル走りました。 メトロの車内でGPSを見ながら降りるタイミングを見計らっていたのですが、途中から地下に入ってしまい位置がわからなくなりました。 地上に出たころには遥か彼方まで運ばれていました。 水が入ったリュックを背負って走るのは、運動不足の大学院生には厳しかったです。 フェリーの搭乗時間に遅れると前払いの料金が無駄になるので必死でした。 汗をかいた服に海風が冷たかったのが思い出です。
フィッシャーマンズ・ワーフの屋台で売っているエビとカニを茹でたもの。 (ただし冷めている。) 底は3分の1ほどレタスが敷き詰められていますが、割と良心的な底上げだと思います。 それよりも、そのままでは味がしませんでした。 横にある少し甘いチリソースみたいなものをつけるのですが、日本人の感覚では魚介との組み合わせはイマイチ。 レモンを絞ってソース無しで食べたほうがおいしかったです。 何もつけないと味がしないし、ソースをつけるとソースの味しかしないし、カニ酢はないのかと思いました。
フィッシャーマンズ・ワーフの屋台で売っているフィッシュ・アンド・チップス。 フィッシュって日本のフライのように衣が厚くて脂っこいのかと思っていましたが、意外とさっぱりしていてかなりおいしかったです。 風が強くて寒かったのも暖かい食べ物がおいしく感じられた一因でしょう。 こちらはケチャップと良く合いました。
ゴールデンゲートブリッジ。 前回失敗したときとは行き方を変え、電車メインで行きました。 最後にバスも使いましたが、電車の駅の近くにある終点から乗ったので迷わずに済みました。 片道30分ほどで歩いて渡れます。 行きはいいですが、帰りは飽きます。 近くで自転車をレンタルするという手もあるそうですが、英語を話せない私には無理な芸当でした。
スタンフォード大学の広場。 花壇がきれいです。 土地が余っているのでしょうね。 大学自体が観光スポットのようで、散歩していて飽きませんでした。
スタンフォード大学のフーヴァー・タワーから見た景色。 とにかく木と広場が多いです。 大学の門から研究室がある建物まで歩いて30分かかるほど広いです。 大学内で無料のシャトルバスが走るほど広いです。 もう少しコンパクトにできないんでしょうか?
スタンフォード大学のメモリアル・チャーチ。 フランスでも思いましたが、教会ってきれいに作られていますね。
スタンフォード大学のカンター・アーツ・センターには、考える人で有名なロダンの作品が集められています。 ロダンの作品だけでなく、アフリカやオーストラリアなど多種多様な地域の美術品があります。 日本コーナーには仏教の巻物などがありました。
なぜか私がお世話になった研究室がある建物では、月曜日の夕方4時からドーナツパーティーが開かれました。 誰がお金を払っているんでしょうか? なぜドーナツを食べるのか研究室の人に聞くと、「ドーナツでもないと月曜日に来たくないやろ」と言われました。 ごもっともです。