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鉄系超伝導体における面内四回対称性の破れ

鉄系超伝導体では、格子と軌道、磁性の自由度が複雑に絡み合っている系であることが認識されている。 それらがどのように関係しあって、構造転移や反強磁性秩序、また超伝導が起こっているのかについて多くの研究者の関心が注がれている。 今回、単結晶BaFe2(As0.96P0.04)2を用い微視的観点から面内の異方性を詳細に調べた。 その結果、構造転移よりもはるか上の温度からAsサイトの4px,4py軌道の縮退が解けており、160 K以下でその分裂が大きくなることを見出した。 今回の結果は、構造転移や反強磁性秩序の起源を考える上からも重要な内容である。

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BaFe2(As0.96P0.04)2の電子占有数の差
図:Asサイトの電場勾配の異方性から求めた4px、4py軌道の電子占有数の差|nx - ny|の温度依存性。点線はBaFe2As2 (x = 0)。 右上挿入図はx=0.04のデータの拡大図。左下図はFeとAsサイトの電子軌道の概念図

この結果はJPSJ誌に掲載されています。

論文情報

T. Iye, M.Julien, H. Mayaffre, M. Horvatic, C. Berthier, K. Ishida, H. Ikeda, S.Kasahara, T.Shibauchi, and Y. Matsuda
J. Phys. Soc. Jpn. 84 043705 Mar. 2015