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Nb/Ru/Sr2RuO4トポロジカル接合におけるカイラルドメインウォールの運動による異常スイッチング

私たちは微小サイズのS/N/S'トポロジカル超伝導接合を作製しました。Sとして通常のs波超伝導体であるNbを、S'としてカイラルp波超伝導体と考えられるSr2RuO4を用い、さらに通常金属Nとしては内に共晶として析出したRuを用いています。NがS'に囲まれているという実空間のトポロジーを利用することで秩序変数の巻き数をうまく検出することが可能となります。私たちは、Nb/Ru/Sr2RuO4のトポロジカル超伝導接合が高い臨界電流を有する状態と低い臨界電流を有する状態との間でスイッチングを示すことを発見しました。この結果は、カイラルp波超伝導秩序変数の二つの「巻き方向」に起因するカイラルドメインの境界が動いていると仮定するとうまく説明することが出来ます。また、これらのスイッチングは部分的に温度、磁場、電流といった外部変数によってコントロールすることが可能であることを明らかにしました。これらの結果は、カイラルドメインウォールの運動を超伝導デバイスに利用できる可能性を示唆しています。この結果はScientific Reportsに掲載されました。

2013年9月のTopicsの図1
図a :デバイス像および各温度でのIV特性 図b :サンプル電圧の時間依存性。図c :Ru回りのSr2RuO4のカイラルドメインの描像。図d : θDWの関数としてのIc、α、Δφの計算

論文情報

M. S. Anwar, Taketomo Nakamura, S. Yonezawa, M. Yakabe, R. Ishiguro, H. Takayanagi & Y. Maeno
Scientific Reports 3 2480 10.1038/srep02480 Aug. 2013