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超伝導や磁性体は磁場をかけることで性質が変わるため、磁場中の測定は重要です。また、単結晶であれば、磁場方向による反応の違いにも興味が持たれます。NMR測定においては高磁場のほうが信号強度が大きいので、弱い信号を測定する場合は高い磁場が望まれます。
大きな磁場を実現するために、多くの場合は超伝導磁石(超伝導線材からなる電磁石)が用いられます。超伝導体は電気抵抗がゼロとなる性質を持つので、ジュール発熱がなく、大きな電流を流すことができます。以下で紹介する当研究室の磁石もほとんどの超伝導磁石です。そのため、磁石は低温装置の中に埋め込まれて、液体4Heなどで冷却されています。当研究室では最高で16 T(液体4Heを減圧して冷やせば18 T)まで磁場をかけることができます。
一部の超伝導磁石には永久電流モードがあります。すなわち、超伝導体は理想的には電流の減衰がないので、外部から電流を印加しなくても永久電流ループを作れば磁場を維持することができます。こうすることで超伝導磁石と電源をつなぐリード線部分の発熱がなくなり、低温環境への負荷が小さくなります。