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イギリスのブリストル大学で2月22日&23日に行われた日英ワークショップ"Novel Quantum Matter in Correlated Oxides"に 前野教授、高津さん(D3)、中村さん(D1)とともに参加しました。 また25日には中村さんとケンブリッジ大学を訪問し、 研究室見学と セミナー発表を行いました。こちらはその報告です。
2/21(Sun.) 関空→成田→London →Bristol
2/22(Mon.) - 23(Tue.) ワークショップ参加 @Univ. of Bristol
2/24(Wed.) Bristol →London →Cambridge
2/25(Thu.) 研究室訪問&セミナー発表 @Univ. of Cambridge
2/26(Fri.) Cambridge →London →2/27(Sat.) 成田→関空
期待と不安が入り混じった気持ちでいよいよ出発です。
日本を後にすること約12時間、機内からロンドンの町が見えたときは感慨深いものがありました。
ロンドンからバスで3時間かけ、やっとブリストルに到着です。宿舎ではBristol大学の方が待っていてくださって、一緒に夕食に行きました。
このワークショップではイギリスと日本から約40人の研究者が集まり、フラストレート磁性体、スピン三重項超伝導体、鉄系超伝導体などについて活発な議論を行いました。 中でも、銅酸化物高温超伝導体におけるフェルミ面の変形の話が非常に興味深かったです。
前野教授はSr2RuO4-Pb接合における超伝導干渉効果について口頭発表を、高津さんは三角格子導電性酸化物PdCrO2のフラストレート磁性についてポスター発表を、 中村さんはSr2RuO4-Pb接合における超伝導干渉効果についてポスター発表を、私はスピン三重項超伝導体Sr2RuO4への一軸性圧力効果について口頭発表を行いました。
本発表は私にとって初めての英語での口頭発表でした。緊張しましたが、日頃から研究室のコロキウムなどで鍛えられているおかげで、質疑応答も乗り切ることができました。 講演時間内だけでなくコーヒーブレイクの時にも複数の方が質問してくださいました。自分の研究に興味を持っていただけるのは非常に嬉しいものだなと実感しました。
また、この研究会をきっかけに海外の同世代の方々と仲良くなることもできました。皆さんがゆっくり話してくださったので、私も臆することなく会話に参加できました。
研究会の翌日、高津さんは実験を行うためBristol大学へ、中村さんと私は研究室見学とセミナー発表を行うためCambridge大学へ向かいました。
これまでにも当研究室と共同研究を行っているCavendish Laboratoryを訪問し、 見学とセミナー発表を行いました。 実際に実験設備を見せていただきながら、de Haas van Alphen効果を用いたFermi面の研究について伺うことができ、有意義でした。 セミナーでは、中村さんはSr2RuO4-Pb接合における超伝導干渉効果について、私はスピン三重項超伝導体Sr2RuO4への一軸性圧力効果について発表しました。
Bristol大学での研究会では発表10分・質疑応答5分と短かったのに対し、 Cambridge大学でのセミナーでは発表20分・質疑応答10分だったので、より深く研究内容を伝えることができました。 Cavendish研究室では圧力実験を専門になさっている方も多いので、結果だけでなく手法にも興味を持っていただけました。
Cambridge大学滞在中、特にSutherland博士には非常にお世話になりました。
構内を案内していただきながら、Cambridge大学についての色々なお話を伺うこともできました。 Cambridge大学の特徴の一つは、カレッジ制を採っているという点です。 カレッジとは寮のようなもので、Cambridge大学では学生は31個あるカレッジのいずれかに属し、そこで生活するそうです。 私はその中のTrinity Collegeのゲストルームに泊めていただきました。
Trinity CollegeはNewton, J. J. Thomson, Rutherford, Bragg, Bohrなど偉大な科学者を輩出してきたことで有名です。 Trinity Collegeの門前にはNewtonが重力を見出すきっかけとなったリンゴの木の子孫が植わっていて、歴史と伝統を感じました。
初めての海外出張は緊張しましたが、非常に充実していました。貴重な機会を与えていただいたことに感謝しています。
出発前はコミュニケーションを十分に取れるか不安でしたが、周りの方々はきちんと伝わるまで気長に接してくださいました。 このような温かい雰囲気があったからこそ、無事に発表を行い、海外ならではの有意義な経験をたくさん積むこともできたのだと思います。 本出張でお世話になった方々に心より御礼申し上げます。
今回学んだことを今後の研究に存分に生かせるよう、さらに精進します。