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フランス領コルシカ島で7月16日から28日に行われた Summer School, "50th anniversary of BSC From BSC to Exotic superconductivity" にD2の中井君とともに参加をしました。
地中海に浮かぶ「美の島(ile de beaute)」コルシカ島は ナポレオン・ボナパルト出世の地として有名です。 また、様々な国からの占領を受けた歴史を持つことも コルシカ島の特徴の1つです。 このような歴史的背景を反映して、 現在ではフランス領でありながら 「コルシカ語」などの独特な文化を持っています。
バカンスの始まるこの季節はビーチで休暇を満喫する家族連れが 多数見受けられます。 日差しがきついため日中の数時間は気温が上がりますが、 その後、心地よい海風により 夕暮れまでには気温が下がり過ごしやすくなります。 寝苦しい日本の熱帯夜と比較すると夜の心地よさは夢のようでした。 まさにバカンスにはうってつけの島であると言えます。
もちろん今回は物理の授業を受けるためにコルシカ島へと行ったので、 2週間みっちりと講義を受けてきました。
この夏の学校には世界各地から約50人の参加者と20人程度の講師が 集まりました。 参加者の多くは博士課程の学生もしくはポスドクだったので、 同じ境遇の仲間として、気楽に打ち解けられました。
BCS50年を記念するという題名にのっとって、 第一週目は従来型超伝導の基礎に重点が置かれていました。 基本的な電子-格子相互作用の扱い方から強結合の理論、 また、Ginzburg Landau理論やVortexの問題にも触れました。 一方で、従来型超伝導体における比熱測定や光学実験、NMR実験などの 講義もあり、理論と実験の両方から超伝導の性質を見ることが出来ました。
第二週目は非従来型超伝導体の性質へと進んでいきました。 特に銅酸化物高温超伝導体について多くの講義がありましたが、 有機超伝導体や重い電子系超伝導体、そしてカーボンナノチューブ における超伝導など様々な物質における超伝導が紹介されました。
参加者にも各々の研究成果を発表する機会が与えられており、 我々も一週目にはポスターで、 二週目には口頭発表にて成果を発表してきました。
物理漬けとなった有意義な2週間でしたが、 何より授業の合間に行く海岸が最高に魅力的でした。 そして、ちょっと贅沢をしたレストランでの食事も美味でした。 一方で、倹約のためスーパーで買って食べたパンとハムとチーズとワインも 何故かいつもよりおいしく感じました。
日の出と共に起き出して、物理をし、日の入りと共に就寝する、 というなんとも贅沢な時間でした。 また行きたいです。