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物質に圧力を加えると格子定数が縮むことで、磁気転移温度や超伝導転移温度といった物質の性質が変化します。 物質の性質を変化させながら測定することで、超伝導や磁性の起源を探ることが可能なため、圧力は重要なパラメーターの一つです。 圧力測定において重要な要素は以下に挙げる2つです。
当研究室では主に「ピストンシリンダーセル」と「インデンターセル」を使用しています(写真)。ここでは前者を例にセルの内部構造と加圧の仕組みを解説します。
まず試料を圧力媒体で満たし、密閉します。それから(1) 内部のピストンを用いて大きな力で試料空間を押し、圧縮します。うまくいけば、この時点で試料に1 GPa(1万気圧)のオーダーの圧力がかかります。最後に(2) ねじを締めてピストンを固定します。
このような高圧の実現のためには、セルを特別に硬い材料で作製する必要があります。私たちの研究室の圧力セルの本体には、主にCuBe(銅とベリリウム)合金やNiCrAl合金といった材料が用いられています。また,大きな力のかかるピストンなどにはWC(タングステンカーバイド)が使用されています。