北川俊作

名前

北川 俊作

身分

助教

研究手段

高圧下測定、核磁気共鳴法(NMR)、核四重極共鳴法(NQR)

顔写真

研究紹介のページです。

核磁気共鳴、核四重極共鳴を用いて重い電子系超伝導体CeCu2Si2の超伝導、磁気状態を明らかにしました。

連絡先
〒606-8502 京都市左京区北白川追分町 理学部5号館140
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e-mail: kitagawa.shunsaku.8u + at + kyoto-u.ac.jp

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Last updated: Oct. 15, 2017

核磁気共鳴、核四重極共鳴を用いた重い電子系超伝導体CeCu2Si2の超伝導、磁気状態

重い電子系超伝導体CeCu2Si2は世界で最初に発見された強相関電子系における超伝導体です。この物質の超伝導対称性は長い間、異方的であると考えられてきましたが、最近の比熱測定[1]から等方的でマルチギャップな超伝導対称性が提案されました。

左図は多結晶試料で測定した先行研究と今回の単結晶試料(赤色)とを比較した核スピン-格子緩和率1/T1の温度依存性の図です。単結晶のデータは150mK付近までほとんど多結晶試料と同じですが低温で若干値が小さい側にずれます。これは超伝導対称性が等方的である兆候です。このような兆候が低温でしか現れないことから、CeCu2Si2は小さな超伝導ギャップを持っており、多結晶試料では不純物の影響により小さなギャップの効果が隠されていたと考えることができます。このような小さなギャップによる振る舞いは比熱の結果とも一致します。(右図) また、純良な単結晶を用いてこの物質の超伝導、磁気状態を詳細に研究しています。

2017年10月のTopicsの図
図: (左) 多結晶試料で測定した先行研究と今回の単結晶試料(赤色)とを比較した核スピン-格子緩和率1/T1の温度依存性。 (右)比熱測定との比較。

本研究はマックスプランク研究所との共同研究です。この結果はPhys. Rev. B誌に掲載されています。

[1]S. Kittaka et al., Phys. Rev. Lett. 112, 067002 (2014).

論文情報

Shunsaku Kitagawa, T. Higuchi, M. Manago, T. Yamanaka, K. Ishida, H. S. Jeevan, and C. Geibel
Phys. Rev. B 96 134506 Oct. 2017