研究紹介のページです。
岡山大学野原研で発見された鉄系超伝導体の圧力相図を作成しました。。
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鉄系超伝導体ではしばしば磁性と関係した構造相転移を抑制することで超伝導が発現します。しかし、構造と磁性が密接に関係しているため構造、磁性どちらが超伝導に重要かははっきりしていません。
Ca10(Ir4As8)(Fe2-xIrxAs2)5は100K付近で構造転移を起こした後、Tc = 16 Kの超伝導を示す鉄系超伝導体です。この物質は鉄系超伝導体の中でも珍しく構造転移と磁性が無関係であるために構造と超伝導の関係がはっきりわかると考え圧力下で構造転移と超伝導転移がどのように変化するかを調べました。
図に示すように我々が作成した圧力下相図では0.5 GPa付近で構造相転移、超伝導転移ともに消失します。これは構造と超伝導が相関していることを示唆しています。Ca10(Ir4As8)(Fe2-xIrxAs2)5では構造と磁性が無関係なことから超伝導にとって結晶構造が非常に重要であると考えられます。
本研究は岡山大学大学院自然科学研究科の野原研究室との共同研究です。この結果はPhys. Rev. B誌に掲載されています。preprintはこちら。