2025年8月7日から8月13日までの7日間、スペイン・ビルバオにて(LT30)が開催され、著者の松林(M2)、松平(D1)、髙橋(PD)が参加しました。
ビルバオはスペイン北部・バスク地方の主要な街の1つで、かつては鉄鋼業で栄えていましたが、近年はビルバオ・グッゲンハイム美術館の開館を契機に「アートの街」としての側面を持つようになりました。ビルバオは、バスクの伝統文化が活きる旧市街と、近代的な開発が進む新市街が共存した魅力的な都市であり、良くも悪くも「ヨーロッパの地方都市」という雰囲気があります。夏の平均最高気温も25度前後と過ごしやすく、国際学会に参加する上でとても快適な環境でした。
8月5日の夕方に関西空港を出発し、イスタンブールを経由して8月6日の夕方にビルバオに到着します。飛行時間は合計で約16時間、イスタンブールでは約9時間の乗り換え時間があり、国際線の飛行機に乗り慣れていない筆者にとってはかなり疲労を感じる行程でした。ビルバオのホテル到着後には、近くのスーパーマーケットで水や夕食用の食料を買い込みました。

翌日の午前中はビルバオ市街を散策しました。筆者はヨーロッパの街を訪れるのが初めてであったため、全く新体験の環境に一抹の不安を感じつつも、ビルバオの街並みや雰囲気を堪能しました。ビルバオ市街内のビルバオ・グッゲンハイム美術館や、海洋博物館を散策して回りました。


その後、午後から始まる会議の会場に向かいます。1日目はプレナリートークから始まり、最後には名物のピンチョスやお酒を囲みながらのウェルカムパーティが行われました。


翌日以降は、日曜日と最終日を除いて午前中から会議が行われます。午前の初めは参加者全員が聴講するプレナリートークが行われ、コーヒーブレイクを挟みつつ、その後2つに分かれたセミプレナリートークが行われます。午前最後には、いくつかのセッションが平行して開催されます。
ランチを挟んで、午後はポスターセッションから始まります。その後、再びセミプレナリートークと平行セッションが行われ、1日が終わります。午前9時から夜19時までと長丁場の会議は疲れましたが、密度の高い議論が行われ、非常に実りのある時間を過ごすことができました。筆者は、現在テーマにしているUTe2に関するセッションをはじめとして、トポロジカル物質や超伝導デバイスのセッションに参加しました。本場の英語での発表を理解するのは大変でしたが、会議の後半には聴講にも慣れ、有意義な学びを得ることができました。
3日目には松林、松平さんがポスター発表を、5日目には髙橋さんが口頭での発表を行いました。海外の方との会話やディスカッションには難しい部分もありましたが、非常に貴重な経験になりました。



会議の合間や後には、ビルバオ市街でスペイン名物のパエリアやピンチョス、アンチョビなどを楽しみました。ビルバオの人々は親切で食事も美味しく、観光客もそれほどごった返していないので、ヨーロッパ内での旅行先として非常に良い印象を受けました。


今回の出張は、筆者にとって初のヨーロッパ訪問であり、初めての国際学会参加でもありました。LT30への参加は、研究面・生活面の双方で筆者のこれまでの常識を大きく刷新する、非常に貴重な経験となりました。