縺(もつ)れ結晶に起因した「超伝導反強磁性」状態を発見

近年、特殊な結晶構造が生み出す超伝導状態や磁気状態に注目が集まっています。CeRh2As2は、結晶構造自身は空間反転対称性をもっていますが、超伝導や磁気的性質に重要なセリウム原子サイトでは空間反転対称性が破れている特殊な結晶構造(縺れ結晶)を有しています。このような結晶では、結晶構造に起因した種類の超伝導状態が実現することが理論的に指摘されていましたが、ごく最近、MPI ドレスデンのグループが理論と比較可能な超伝導状態を発見しました。
本研究グループは、CeRh2As2に対して核四重極共鳴 5実験を行い、あらたに、超伝導相の内部に反強磁性転移が存在することを発見しました。反強磁性と超伝導が共存する物質ではほとんどの場合、反強磁性転移した後に超伝導になる、”反強磁性超伝導”状態であり、本物質で実現している “超伝導反強磁性”状態はごくまれです。本成果により縺れ結晶の物質では、特異な超伝導に加え、特異な磁気状態を示すことも明らかになりました。今後、この”超伝導反強磁性”と 2 種類の超伝導がどのように関係しているかを研究していく予定です。

本成果は2022年2月3日にPhysical Review Letteresにオンライン掲載されました。https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.128.057002

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縺(もつ)れ結晶に起因した「超伝導反強磁性」状態を発見

論文情報

Kibune, M; Kitagawa, S; Kinjo, K; Ogata, S; Manago, M; Taniguchi, T; Ishida, K; Brando, M; Hassinger, E; Rosner, H; Geibel, C; Khim, S

Observation of Antiferromagnetic Order as Odd-Parity Multipoles inside the Superconducting Phase in CeRh2As2 Journal Article

In: Physical Review Letters, vol. 128, no. 05, pp. 057002, 2022.

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